ヤマヤマの中咽頭癌と戦うブログ

2015/03に手術、5月から放射線治療を体験しました。その後2016/03に胸腔鏡下の肺下葉摘出も体験。

気管孔

気管孔とは、首のあたりに作る空気穴のことだ。自分もそうだったが、なんらかの理由で口からの呼吸ができなくなるリスクがある時に首の付け根あたりに穴を開けて空気を通す。
普通は首の付け根真ん中、つまり喉仏の5センチくらいしただ。
全身麻酔の間に完成するので、普通はその「工事」は痛く無い。
自分の場合は、咽頭を手術したから、患部が喉の中で浮腫んだりして呼吸の邪魔になるリスクがあった為に気管孔を作った。これは安全策としては良いが、意外に治るまで時間がかかる。
術後3日くらいは穴から呼吸をする。それが体の唯一の空気穴だからそれが塞がったら呼吸ができない。と、気がついただけで恐怖だ。その唯一の穴に痰が絡んで穴が狭まる、肩で息をしないと十分に息ができない。それ自体ストレスだ。何回か呼吸が本当に苦しくて、吸引機で掃除してもらったりした。いまでもたまーに、呼吸困難の夢を見るくらいトラウマになっている。

4日目あたりで、穴に繋がる体に埋め込んだパイプを取り出すと、そこからは口や鼻から呼吸が可能になる。この時点でまだ穴が塞がってないから、鼻、口、穴の3カ所で呼吸ができる状態になる。呼吸はまだいい、空気が自然に流れる場所を通せば良いだけの話だ。
咳をすると、普通は喉から口に空気が抜ける。でも首の穴があるとむせてせきがバンバン出るときは穴から半分くらい空気がでちゃう。すると痰を切る為の咳の空気が喉を通る前に抜けちゃうからだめだ。穴には絆創膏とそれを抑える為にガーゼとテープで固定しているが、これらを手でグッと抑えてから咳をすると、本来の気道に空気が通る。
看護師から散々警告を受けるのは、穴に水を入れないように細心の注意が必要ということ。ここに水が入ると呼吸停止だ、っていわれる。結局穴が塞がるまで、退院後3週間位かかるから、それまでの期間は風呂はダメでシャワーで、そのときもビニールとタオルで穴を防御する。
穴が塞がりにくい人は、縫うらしいが、自分は3週間で自然につながった、人間の治癒力は大したもんだ。